GPTsを使って資料検索エージェントを作ってみた

はじめに

 AIエージェントという言葉は聞いたことがあるが、実際に作ったことはないなんて人も多いのではないでしょうか?ChatGPTではGPTsという機能で簡単にAIエージェントを作ることができます。本記事では別記事(おすすめの社内資料を提示してくれるようなRAG搭載AIエージェントを作ってみた)で紹介したRAGのように資料検索できるようなAIエージェントをGPTsで作ってみて、精度がどの程度なのか紹介します。

GPTsの使い方

ChatGPTにはカスタムGPTというサービスを提供しており、AIエージェントを作成できます。但し、無料版では使えず、Plusから使えますので注意が必要です。
構成にて、AIエージェントの名前やデフォルトでどういう振舞いをするエージェントなのか設定します。今回は資料検索エージェントという名前で、知識にアップロードしたファイルを元に回答するように設定しました。

知識には、今回検索する資料をアップロードしておきます。

データ

経済産業省の委託調査報告書10本
https://www.meti.go.jp/topic/data/e90622aj.html

方法

GPTsに知識として調査報告書をアップロードし、プロンプトを投げて精度検証しました

結果

①プロンプト:近年の物流状況を調査するにあたり、参考資料が欲しいです。提示してください。

近年の物流状況を調べる参考資料として、まず最も適しているのは、アップロード済みの アクセンチュアの物流調査報告書 です。
この資料は、国内トラック輸送を中心に、競争環境・労働環境・輸送効率・海外比較・改善方向まで整理されており、今回の目的にかなり合っています。

資料の要点としては、近年の物流では

  • EC化などで物流量が増える一方、
  • トラックドライバー不足が深刻化し、
  • 小ロット多頻度配送の進行で積載効率が低下している、
  • その背景に過当競争、低利益率、低賃金、多重下請け構造がある、
    と整理されています。

特にこの報告書は、調査の観点が明確で、

  • 物流市場の労働環境の変遷
  • 法規制・財政措置
  • データ連携や物流プラットフォームの影響
  • 商慣行の影響
  • 他輸送モード連携や自動化・省人化の影響
    までカバーしています。

参考資料としては、次のように使うのがおすすめです。

最優先で読む資料

  • 「物流市場における競争環境や労働環境等に関する調査」(アクセンチュア、2021年3月)
    物流の現状把握、課題構造、真因、改善方向を一通り押さえるのに最適です。

この資料で特に見るとよい章

  • エグゼクティブサマリ
  • 国内市場の調査結果
  • 海外市場の調査結果
  • 課題全体像
  • 真因の特定
  • 課題解決の方向性
    という構成になっています。

調査テーマ別の見どころ

  • 物流量増加と人手不足:近年の需給ひっ迫感の把握
  • 積載効率・時間当たり実車率:輸送効率の見方の整理
  • 多重下請け問題:賃金や収益性低迷の構造理解
  • データ連携・求貨求車PF:デジタル化の論点把握
  • 海外比較:米国・欧州との比較観点の確認

必要であれば次に、あなたの目的に合わせて
「物流2024年問題寄り」「人手不足寄り」「物流DX寄り」「海外比較寄り」
の4パターンで、読むべき章を絞って提示します。

ユーザーが知りたい情報をわかりやすくまとめてくれてます。また、ユーザーにおすすめの章を紹介しており、ユーザーライクであることもわかります。

②プロンプト:エネルギー事業の新規PJ提案書作成のため、類似案件資料を提示してください。資料名のリストも教えてください。

提案書づくりの参考として、手元資料の中で エネルギー事業に最も近い類似案件 は次の2件です。

類似案件資料

  1. 調査_DTL.pdf
    正式名:令和3年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(脱炭素化が産業活動へ与える影響に関する分析・調査支援事業)調査報告書
    内容は、諸外国の需要側CN戦略、産業部門の熱需要分析、国内外エネルギーコスト分析、再エネコスト試算まで含み、提案書の骨子づくりにかなり近いです。
  2. 脱炭素_McK.pdf
    正式名:日本の脱炭素化への道筋
    2030~2050年の脱炭素化シナリオ、コスト効率、産業競争力との両立論点が整理されており、上位方針・事業機会整理の参考になります。

資料名リスト

  • 令和3年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(脱炭素化が産業活動へ与える影響に関する分析・調査支援事業)調査報告書
  • 日本の脱炭素化への道筋

提案書に使いやすい観点

調査_DTL.pdf では、次の章立てがそのまま提案書の構成参考になります。

  • 背景と目的
  • 検討アプローチ
  • 諸外国におけるエネルギー需要側のカーボンニュートラル戦略
  • 産業部門における熱需要の実態調査
  • 我が国の熱需要におけるカーボンニュートラルの道筋
  • 国内外のエネルギーコスト分析
  • 再生可能エネルギーコストの試算

また、同資料には

  • 2030年46%削減、2050年カーボンニュートラルを前提にした試算
  • 再エネ導入量をコスト最小化条件で内生的に算出
  • 系統増強、蓄電池、揚水、水素、DRも含めた検討
    があり、PJ提案書の「前提条件」「分析スコープ」「シナリオ設計」の参考になります。

どちらをどう使うか

  • 事業計画・調査設計のたたき台調査_DTL.pdf
  • 経営層向けの大きなストーリーや政策文脈脱炭素_McK.pdf

必要なら次に、これら2資料をもとに
「新規PJ提案書の目次案」 まで落として提示します。

ユーザーの要望通りに複数の参考資料を挙げてくれています。また、ユーザーの立場に立って、提案書作成に参考になる資料の章立てを教えてくれました。

おわりに

今回はGPTsを使って、資料検索エージェントを作成してみました。今まで試してみたスクラッチのRAGやNotebookLMによる資料検索と遜色ないことがわかります。AIを使って資料検索を効率化させたい場合は、社内の環境に合わせたサービスを選ぶことが先決でしょう。